アリクロ(アリスクローゼット)ミニストーリー
ガチャ: 「スノークイーン」「リトルコロポックル」「リカーデーモン」
期間: 2021/11/4(木)14:30~11/12(金)14:29
大魔術師ハンプティの弟子
[1]ハンプティの日記
498.10.7
インターナ帝国を後にして大分経った。
風の噂で、国は軍を差し向けて私を捜索していると聞いたが…もう戻る事はないだろう。
あのまま居続けたら、新国王が出した新たな方針、インデックスの軍事・兵器利用に加担させられるのは間違いないのだからな。
マナの発見後、人々の役に立つ魔術をと思い生涯を捧げ研究してきたインデックスが、こんな形で利用される事になるとは…。
新国王は私の意見を聞こうともしなかった。
魔術研究部内で味方を探そうとしたが、時すでに遅し。
自分以外の魔術師が、全員帝国側に取り込まれるまで気づかなかった私も私だな。
私だけが抜けた事で、帝国の方針が変えられるとは思わないが、それでも数十年単位で開発は遅れるだろう。
ごく一部にしか閲覧権限のない資料や、マナのサンプルを持ち出せたのは幸いだった。
まずは身分を隠し、各国を移動しながら様子を見た方が安全だろう。
戦争など愚かな行為だと気づいてくれる事を切に願う。
インターナ帝国を後にして大分経った。
風の噂で、国は軍を差し向けて私を捜索していると聞いたが…もう戻る事はないだろう。
あのまま居続けたら、新国王が出した新たな方針、インデックスの軍事・兵器利用に加担させられるのは間違いないのだからな。
マナの発見後、人々の役に立つ魔術をと思い生涯を捧げ研究してきたインデックスが、こんな形で利用される事になるとは…。
新国王は私の意見を聞こうともしなかった。
魔術研究部内で味方を探そうとしたが、時すでに遅し。
自分以外の魔術師が、全員帝国側に取り込まれるまで気づかなかった私も私だな。
私だけが抜けた事で、帝国の方針が変えられるとは思わないが、それでも数十年単位で開発は遅れるだろう。
ごく一部にしか閲覧権限のない資料や、マナのサンプルを持ち出せたのは幸いだった。
まずは身分を隠し、各国を移動しながら様子を見た方が安全だろう。
戦争など愚かな行為だと気づいてくれる事を切に願う。
[2]インターナ帝国軍の記録
498.10.10
~ハンプティ追跡記録~
インターナ帝国北部の探索が完了し、国内全域の調査が行われた事となる。
未だ、それらしい老人の目撃情報はない。しかし、各地で強いマナの力が計測されている他、人々の怪我を治癒させたという、インデックス「キュア」の使い手の噂がある。力強い瞳の若者であったという話だ。
これらを総合すると、彼が若返りの術を完成させていた可能性が高まる。術で見た目を変えているのだろう。
今後探索地域を広げると共に、ハンプティ氏の若い頃の顔も人相書きに加える事とする。
魔術研究部の話では、ハンプティ氏が抜けた穴を埋めるべく、国中から新しい魔術師をかき集めているようだ。
しかし、それでも当初の進捗をはるかに下回っているとの報告だ。
やはり大魔術師の力は桁違いなようだ。だが、その程度で我が国の崇高なる目標は止められはしない。
全てはインターナ帝国の更なる発展のため。
インターナ帝国に栄光のあらん事を!
~ハンプティ追跡記録~
インターナ帝国北部の探索が完了し、国内全域の調査が行われた事となる。
未だ、それらしい老人の目撃情報はない。しかし、各地で強いマナの力が計測されている他、人々の怪我を治癒させたという、インデックス「キュア」の使い手の噂がある。力強い瞳の若者であったという話だ。
これらを総合すると、彼が若返りの術を完成させていた可能性が高まる。術で見た目を変えているのだろう。
今後探索地域を広げると共に、ハンプティ氏の若い頃の顔も人相書きに加える事とする。
魔術研究部の話では、ハンプティ氏が抜けた穴を埋めるべく、国中から新しい魔術師をかき集めているようだ。
しかし、それでも当初の進捗をはるかに下回っているとの報告だ。
やはり大魔術師の力は桁違いなようだ。だが、その程度で我が国の崇高なる目標は止められはしない。
全てはインターナ帝国の更なる発展のため。
インターナ帝国に栄光のあらん事を!
[3]ハンプティの日記
490.10.18
今日訪れた街は戦争の影響が色濃く残っていた。
マナ大戦後続いていた各地の小競り合いも、450年にアリスシードが発見されて以降は縮小傾向にあったが、まだ地域によっては争いに魔法が使われている…。
何と言っても、何の罪もないアリスや幼い子供達が巻き込まれるのが一番辛い。身分を隠している私にできるのは人々の手当てをする事ぐらいだ。
野戦病院は忙しさから警備も甘く、潜り込みやすいのは助かっているが…。
それよりも、あの子の事を考えねば。あんなに森深い所に子供がいるとは思いもしなかったからな。
ひどく怯えて話も出来ず、焼け焦げた絵本を大事そうに抱えているのを見て、すぐに戦争の被害にあったのだと察した。
今は、なるべく優しく声をかけてやったおかげか、逃げ出そうとせず大人しくそばにいてくれている。
明日、あの街に戻って親を探してやろう。
…あの少年の両親が無事でいてくれるといいのだがな。
今日訪れた街は戦争の影響が色濃く残っていた。
マナ大戦後続いていた各地の小競り合いも、450年にアリスシードが発見されて以降は縮小傾向にあったが、まだ地域によっては争いに魔法が使われている…。
何と言っても、何の罪もないアリスや幼い子供達が巻き込まれるのが一番辛い。身分を隠している私にできるのは人々の手当てをする事ぐらいだ。
野戦病院は忙しさから警備も甘く、潜り込みやすいのは助かっているが…。
それよりも、あの子の事を考えねば。あんなに森深い所に子供がいるとは思いもしなかったからな。
ひどく怯えて話も出来ず、焼け焦げた絵本を大事そうに抱えているのを見て、すぐに戦争の被害にあったのだと察した。
今は、なるべく優しく声をかけてやったおかげか、逃げ出そうとせず大人しくそばにいてくれている。
明日、あの街に戻って親を探してやろう。
…あの少年の両親が無事でいてくれるといいのだがな。
[4]ハンプティの日記
490.10.19
あの子の両親の手がかりを求めて昨日の街に戻ってみたが、焼け落ちた家々を呆然と見つめる背中に、すぐに声をかける事が出来なかった。
一晩明けて少し落ち着いた彼の話では、両親とアリスと共に逃げたが、途中ではぐれてしまったらしい。
この壊滅具合からして、かなりの混乱だったのだろう。
周辺でも家族を探す人の姿が多く見られた。
自分だけが置いていかれたと泣きじゃくる姿は痛々しく苦しまぎれに、「一緒に近隣の町を巡って家族を探してみよう」と言う他なかった。
多少は心を開いてくれたのか少年は名を教えてくれた。
「バンダースナッチ」と。
私は今日、一つ決心をした。
近くの町を巡り、もしバンダースナッチの家族が見つからなかったら、その時はこの子を引き取ろう。
独り立ちできるようになるまで、世話をしようと、そう決めた。
これは、インデックスを開発し、争いの種を生んでしまった自分への戒めだ。
あの子の両親の手がかりを求めて昨日の街に戻ってみたが、焼け落ちた家々を呆然と見つめる背中に、すぐに声をかける事が出来なかった。
一晩明けて少し落ち着いた彼の話では、両親とアリスと共に逃げたが、途中ではぐれてしまったらしい。
この壊滅具合からして、かなりの混乱だったのだろう。
周辺でも家族を探す人の姿が多く見られた。
自分だけが置いていかれたと泣きじゃくる姿は痛々しく苦しまぎれに、「一緒に近隣の町を巡って家族を探してみよう」と言う他なかった。
多少は心を開いてくれたのか少年は名を教えてくれた。
「バンダースナッチ」と。
私は今日、一つ決心をした。
近くの町を巡り、もしバンダースナッチの家族が見つからなかったら、その時はこの子を引き取ろう。
独り立ちできるようになるまで、世話をしようと、そう決めた。
これは、インデックスを開発し、争いの種を生んでしまった自分への戒めだ。
[5]ハンプティのレポート
~若返り・長寿の術に関して~
定期的に若返りの術をかけているが、明らかに効き目が悪くなっている。
マナ凝縮の術も合わせ、濃度を高くしてようやっと満足の行く成果となるほどだ。
やはり、ここ数十年の戦争の影響でマナ濃度は著しく低下しているようだ。術の発動に影響を及ぼすほどに。
最近は緩やかになったが、それでもマナの減少は続いていくだろう。
いずれ術の発動は出来なくなる可能性は高い。
不幸中の幸いともいえるのは、計算によれば、将来すべての地が不毛の砂原にでもならない限り、人命にかかわる最低限の数値を下回る事は無いと言う事だ。
それに、マナ濃度はアリスという存在が現れてから驚くほど安定している。
やはり興味深い存在だ。
そんなアリスと、インデックスを開発しマナ減少に関わった私が出会い、行動を共にするようになるとは…因果なものを感じずにいられない。
定期的に若返りの術をかけているが、明らかに効き目が悪くなっている。
マナ凝縮の術も合わせ、濃度を高くしてようやっと満足の行く成果となるほどだ。
やはり、ここ数十年の戦争の影響でマナ濃度は著しく低下しているようだ。術の発動に影響を及ぼすほどに。
最近は緩やかになったが、それでもマナの減少は続いていくだろう。
いずれ術の発動は出来なくなる可能性は高い。
不幸中の幸いともいえるのは、計算によれば、将来すべての地が不毛の砂原にでもならない限り、人命にかかわる最低限の数値を下回る事は無いと言う事だ。
それに、マナ濃度はアリスという存在が現れてから驚くほど安定している。
やはり興味深い存在だ。
そんなアリスと、インデックスを開発しマナ減少に関わった私が出会い、行動を共にするようになるとは…因果なものを感じずにいられない。
[6]バンダースナッチの日記
491ねん 10がつ 10にち はれ
5さいになったおいわいに イーストエンドおうこくに つれていって もらえることになった。
おもしろいものが たくさんあるんだって!
おとうさんと おかあさんも みつかるといいな。
きょうは もりで おとまりだ。
いんでっくすの れんしゅうもした。
ヴェントの かぜで はっぱをかたづけたり ふぃあで まきを もやしたりした。
いっぱい ほめてもらえた。
でも ありすのほうが いんでっくすが じょうずだ。
おじちゃんも ありすのまなを みてると うれしそうにしてる。
ぼくのほうが たくさん べんきょうしてるのに!
もっとがんばって ありすより おじちゃんとなかよしになりたいな。
ありすばっかり なかよしで ずるいもん。
5さいになったおいわいに イーストエンドおうこくに つれていって もらえることになった。
おもしろいものが たくさんあるんだって!
おとうさんと おかあさんも みつかるといいな。
きょうは もりで おとまりだ。
いんでっくすの れんしゅうもした。
ヴェントの かぜで はっぱをかたづけたり ふぃあで まきを もやしたりした。
いっぱい ほめてもらえた。
でも ありすのほうが いんでっくすが じょうずだ。
おじちゃんも ありすのまなを みてると うれしそうにしてる。
ぼくのほうが たくさん べんきょうしてるのに!
もっとがんばって ありすより おじちゃんとなかよしになりたいな。
ありすばっかり なかよしで ずるいもん。
[7]ハンプティの日記
491.10.15
やはりイーストエンド王国の、この独特の文化はとても興味深い。
以前行ったハートランド王国は、気風は違えど、そこまで文化の差はないからな。
こうして衣装を見ると、特に異国情緒を感じられる。
アリス用の衣装も豊富で、目移りしてしまった。
今日購入した衣装は、イーストエンドの架空の存在、妖(あやかし)をモチーフにしているのだそうだ。
雪女という妖の衣装は、着物が使われている。
雪の名の通り、白く輝いていて、柔らかな印象だ。
酒吞童子のほうは、これがイーストエンドの鎧なのだそうだ。重厚な戦いの雰囲気でありながら、華やかに装飾されていて、見事な一着だ。
それと、妖をテーマにした物語の本もバンダースナッチに買ってやった。いたく気に入ったようだ。
あの子は本当に本が好きだな。イーストエンド王国でも存分に知識をつけさせてやろう。
しかし…バンダースナッチは最近、両親の話をしなくなった。とても賢い子だ、両親に関してすでに察しているのかもしれないな…。
やはりイーストエンド王国の、この独特の文化はとても興味深い。
以前行ったハートランド王国は、気風は違えど、そこまで文化の差はないからな。
こうして衣装を見ると、特に異国情緒を感じられる。
アリス用の衣装も豊富で、目移りしてしまった。
今日購入した衣装は、イーストエンドの架空の存在、妖(あやかし)をモチーフにしているのだそうだ。
雪女という妖の衣装は、着物が使われている。
雪の名の通り、白く輝いていて、柔らかな印象だ。
酒吞童子のほうは、これがイーストエンドの鎧なのだそうだ。重厚な戦いの雰囲気でありながら、華やかに装飾されていて、見事な一着だ。
それと、妖をテーマにした物語の本もバンダースナッチに買ってやった。いたく気に入ったようだ。
あの子は本当に本が好きだな。イーストエンド王国でも存分に知識をつけさせてやろう。
しかし…バンダースナッチは最近、両親の話をしなくなった。とても賢い子だ、両親に関してすでに察しているのかもしれないな…。
[8]バンダースナッチの日記
494.10.15
今日、ついに、おじちゃんから父さんと母さんについて聞かれた。正直に「もう二人とも生きてないって分かってる」って話した。
だけど、おじちゃんとずっとたびをしたいっていうこともつたえた。
いつかおじちゃんとはなればなれにならなきゃいけないって思うだけで、いやでいやで、ずっとかなしかった。
だから、今までたくさんべんきょうしてきたんだ。おじちゃんの本も読んで、むずかしいまほうもたくさんおぼえたんだ。
わかがえりのじゅつも、これからいっしょにけんきゅうできるようにがんばるから、弟子としていっしょにいさせてっておねがいした。
そしたら、おじちゃんは「いっしょにいよう」って言ってくれたんだ…!
オレが役に立つ子だって、そう思ってくれたんだ。
今までたくさんべんきょうしてきてよかった。
これからはおじちゃんじゃなくて、ししょうってよばなきゃ。
今日、ついに、おじちゃんから父さんと母さんについて聞かれた。正直に「もう二人とも生きてないって分かってる」って話した。
だけど、おじちゃんとずっとたびをしたいっていうこともつたえた。
いつかおじちゃんとはなればなれにならなきゃいけないって思うだけで、いやでいやで、ずっとかなしかった。
だから、今までたくさんべんきょうしてきたんだ。おじちゃんの本も読んで、むずかしいまほうもたくさんおぼえたんだ。
わかがえりのじゅつも、これからいっしょにけんきゅうできるようにがんばるから、弟子としていっしょにいさせてっておねがいした。
そしたら、おじちゃんは「いっしょにいよう」って言ってくれたんだ…!
オレが役に立つ子だって、そう思ってくれたんだ。
今までたくさんべんきょうしてきてよかった。
これからはおじちゃんじゃなくて、ししょうってよばなきゃ。
[9]バンダースナッチの日記
495.11.15
まさか、ししょうがインターナていこくにもどるなんて言い出すとは思わなかった。まほうがせんそうに使われないために、ずっとていこくからにげてきたのに。
わか返りのじゅつをきわめるためって言ったけど、多分オレがマナの勉強をしたいって話したからだと思う。
前から、いいしせつがあればお前にもっと研究を教えてあげられるのにって言ってたから。
まだ旅をしたいけど…。
とくに、昔つれて行ってもらったイーストエンド王国はすごかった。色々なでんせつも面白かったし、アリスの衣装も、マナの使い方も他の国とはちがった。
でも研究ができるのはうれしい。ししょうは、わか返りのじゅつがなかなかきかないってこまってた。
マナがどんどんへっているから。人間がマナを作る事ができたらいいのに。
そうだよな、ししょうがもっと長生きするために、たくさん研究しないとな。
もっと勉強して、ししょうみたいなすごいまじゅつしになるんだ。がんばるぞ。
まさか、ししょうがインターナていこくにもどるなんて言い出すとは思わなかった。まほうがせんそうに使われないために、ずっとていこくからにげてきたのに。
わか返りのじゅつをきわめるためって言ったけど、多分オレがマナの勉強をしたいって話したからだと思う。
前から、いいしせつがあればお前にもっと研究を教えてあげられるのにって言ってたから。
まだ旅をしたいけど…。
とくに、昔つれて行ってもらったイーストエンド王国はすごかった。色々なでんせつも面白かったし、アリスの衣装も、マナの使い方も他の国とはちがった。
でも研究ができるのはうれしい。ししょうは、わか返りのじゅつがなかなかきかないってこまってた。
マナがどんどんへっているから。人間がマナを作る事ができたらいいのに。
そうだよな、ししょうがもっと長生きするために、たくさん研究しないとな。
もっと勉強して、ししょうみたいなすごいまじゅつしになるんだ。がんばるぞ。
[10]ハンプティの日記
495.11.16
インターナ帝国に戻り、定住しようとしている事を伝えてみると、バンダースナッチは意外にも反対した。
今まで旅をしてきて、ほとんど我を出したことは無かったが…あの子も自分の意見を言えるようになったと言う事か。何やら微笑ましい気分だ。
それに、どうやらあの子は私との旅を心底楽しんでくれているようで、もう旅を出来ない事を残念がっていた。
そこまで懐いてくれていたとはな。
腰を据えてバンダースナッチの勉強をするためだと説得すると、渋々とだが頷いてくれた。
だがもう旅が出来ないのがよほど残念なのか、バンダースナッチはふと「師匠と旅した先の風景がまた見たい。
魔法で異国の風景が映し出せれば…。そうだクロージーにも活かせそうだね」と話していた。
それを聞いて、あの子の才能と発想力に驚かされた。
幼少期から気づいていたがバンダースナッチは、多大なマナ保有量、頭の回転速度、どれをとっても天賦の魔術師体質だ。
この子がどんな未来を築いてくれるのか、将来が楽しみでならない。なるべく長くそばにいてやろう…。
インターナ帝国に戻り、定住しようとしている事を伝えてみると、バンダースナッチは意外にも反対した。
今まで旅をしてきて、ほとんど我を出したことは無かったが…あの子も自分の意見を言えるようになったと言う事か。何やら微笑ましい気分だ。
それに、どうやらあの子は私との旅を心底楽しんでくれているようで、もう旅を出来ない事を残念がっていた。
そこまで懐いてくれていたとはな。
腰を据えてバンダースナッチの勉強をするためだと説得すると、渋々とだが頷いてくれた。
だがもう旅が出来ないのがよほど残念なのか、バンダースナッチはふと「師匠と旅した先の風景がまた見たい。
魔法で異国の風景が映し出せれば…。そうだクロージーにも活かせそうだね」と話していた。
それを聞いて、あの子の才能と発想力に驚かされた。
幼少期から気づいていたがバンダースナッチは、多大なマナ保有量、頭の回転速度、どれをとっても天賦の魔術師体質だ。
この子がどんな未来を築いてくれるのか、将来が楽しみでならない。なるべく長くそばにいてやろう…。
[11]ハンプティの日記
503.1.10
身分を偽り流浪の魔術師「ボミラキ」としてインターナ帝国の魔術研究機関で働きだして、もう数年か。
国はすっかり魔術の兵器開発をしていたころの面影はなく、研究自体も大人しいものだ。
産業利用やクロージー用インデックスに力を入れていると知ったときは、思わず安堵したものだ。
研究機関の質も相変わらず高い。バンダースナッチにもいい刺激になっている。
ここに戻ってきて、本当によかった。
今、バンダースナッチと一緒に進めている、魔術による映像投影の研究も実に順調だ。
「師匠と見た、思い出の異国の風景を映したいんです」
と、熱心に手伝ってくれている。
この前、お気に入りなのだというアリス用の衣装を見せてくれた。
私がイーストエンド王国で買ってやった、コロポックルの衣装だ。「生地の模様や刺繍は、まじないの意味が強いそうですね。それがまるで魔法陣のようだなと思えて気に入ってるんです」と、嬉しそうに話していた。
…もうすでに、今の研究はバンダースナッチが主軸だ。
責任者をあの子にする件、話を進めなくてはな。
身分を偽り流浪の魔術師「ボミラキ」としてインターナ帝国の魔術研究機関で働きだして、もう数年か。
国はすっかり魔術の兵器開発をしていたころの面影はなく、研究自体も大人しいものだ。
産業利用やクロージー用インデックスに力を入れていると知ったときは、思わず安堵したものだ。
研究機関の質も相変わらず高い。バンダースナッチにもいい刺激になっている。
ここに戻ってきて、本当によかった。
今、バンダースナッチと一緒に進めている、魔術による映像投影の研究も実に順調だ。
「師匠と見た、思い出の異国の風景を映したいんです」
と、熱心に手伝ってくれている。
この前、お気に入りなのだというアリス用の衣装を見せてくれた。
私がイーストエンド王国で買ってやった、コロポックルの衣装だ。「生地の模様や刺繍は、まじないの意味が強いそうですね。それがまるで魔法陣のようだなと思えて気に入ってるんです」と、嬉しそうに話していた。
…もうすでに、今の研究はバンダースナッチが主軸だ。
責任者をあの子にする件、話を進めなくてはな。
[12]バンダースナッチの日記
505.10.23
あの魔法(仮に「ルミナス」と名付ける事にした)の完成はもう間近だ。
今日は衣装を用意して、実際にクロージーで使用してみた。用意したのはもちろん俺のお気に入り、コロポックルの衣装だ。
背景の比率を大きくして、アリスがコロポックルほどの小人になったような演出が出来た。
他にも雪女と酒吞童子の衣装も使ってみた。
雪女は雪を舞わせヴェントで風を起こして吹雪を演出。
酒呑童子は霧がかった戦地を映し出し、厳かな雰囲気に出来た。
その場で共に観測していた同僚たちからも大好評だ。
ルミナスはもう完成したも同然だな。
師匠に報告すると、いたく喜んでくれてた。
近々、師匠の今の名前「ボミラキ」の名義で、ルミナスが世間に公表されるだろう。
名は違えど、大魔導師ハンプティの偉業が、またこの世に広まるんだ。
これ以上幸せな事があるだろか。
あの魔法(仮に「ルミナス」と名付ける事にした)の完成はもう間近だ。
今日は衣装を用意して、実際にクロージーで使用してみた。用意したのはもちろん俺のお気に入り、コロポックルの衣装だ。
背景の比率を大きくして、アリスがコロポックルほどの小人になったような演出が出来た。
他にも雪女と酒吞童子の衣装も使ってみた。
雪女は雪を舞わせヴェントで風を起こして吹雪を演出。
酒呑童子は霧がかった戦地を映し出し、厳かな雰囲気に出来た。
その場で共に観測していた同僚たちからも大好評だ。
ルミナスはもう完成したも同然だな。
師匠に報告すると、いたく喜んでくれてた。
近々、師匠の今の名前「ボミラキ」の名義で、ルミナスが世間に公表されるだろう。
名は違えど、大魔導師ハンプティの偉業が、またこの世に広まるんだ。
これ以上幸せな事があるだろか。
[13]ハンプティの日記
507.9.21
今日、若返りの術が発動しなかったことを確認した。
二重三重にマナ凝縮を試みたが、それでも術発動に足らなかったようだ。もう限界か…。
だが、不思議と心は落ち着いている。
それどころか、満ち足りた気分だ。
確かに、マナを生み出し、魔法大戦を招いた事は後悔しているが…。
それでもあの子…バンダースナッチと言う、未来を託す弟子を育てられた事は何より嬉しいと思っている。
ここが、潮時なのだろうな。
バンダースナッチはこのままでは、あくまで私の補佐と言う立場を譲らないだろう。
それに、私が長くないと知れば、バンダースナッチは全てを投げ出して私を助けるための研究を進めるだろう。
ならば、インターナ帝国を…バンダースナッチの元を去るのが、最良の選択だ。
あの子と離れるのが、辛くないわけはない。
近くで偉業を見届けられないのが残念だ…。
人よりも長い人生だった。もう隠居出来るのだな。
あとは、アリスとのんびり余生を過ごそうじゃないか。
今日、若返りの術が発動しなかったことを確認した。
二重三重にマナ凝縮を試みたが、それでも術発動に足らなかったようだ。もう限界か…。
だが、不思議と心は落ち着いている。
それどころか、満ち足りた気分だ。
確かに、マナを生み出し、魔法大戦を招いた事は後悔しているが…。
それでもあの子…バンダースナッチと言う、未来を託す弟子を育てられた事は何より嬉しいと思っている。
ここが、潮時なのだろうな。
バンダースナッチはこのままでは、あくまで私の補佐と言う立場を譲らないだろう。
それに、私が長くないと知れば、バンダースナッチは全てを投げ出して私を助けるための研究を進めるだろう。
ならば、インターナ帝国を…バンダースナッチの元を去るのが、最良の選択だ。
あの子と離れるのが、辛くないわけはない。
近くで偉業を見届けられないのが残念だ…。
人よりも長い人生だった。もう隠居出来るのだな。
あとは、アリスとのんびり余生を過ごそうじゃないか。
[14]人工マナに関するレポート
~マナ濃度に関するレポート~
マナの減少は、予想するに、大きく分けて2段階ある。
魔法大戦後、そしてアリス出現前後だ。
やはりアリスはマザーツリーより生み出されたものだ。
現存するマナに影響を受けやすいという事は、マザーツリーによるマナの操作に関わっているとみて間違いないだろう。
循環の中継地点となり、コントロールされている説は、ほぼ確定した。
アリスを使いマナを独占するという、あの樹の思惑を突き止めてやった。
なんという暴虐ぶりだろうか。
人もアリスも自分の養分としか思っていないのだろう。
だが、逆にその思惑を利用し、人工マナの元にさせられるとはさすがのマザーツリーも思っていなかっただろうな。
この研究が完成すれば、人類はようやく、あの木の支配から抜け出せる!!
そして、師匠もきっとーー
マナの減少は、予想するに、大きく分けて2段階ある。
魔法大戦後、そしてアリス出現前後だ。
やはりアリスはマザーツリーより生み出されたものだ。
現存するマナに影響を受けやすいという事は、マザーツリーによるマナの操作に関わっているとみて間違いないだろう。
循環の中継地点となり、コントロールされている説は、ほぼ確定した。
アリスを使いマナを独占するという、あの樹の思惑を突き止めてやった。
なんという暴虐ぶりだろうか。
人もアリスも自分の養分としか思っていないのだろう。
だが、逆にその思惑を利用し、人工マナの元にさせられるとはさすがのマザーツリーも思っていなかっただろうな。
この研究が完成すれば、人類はようやく、あの木の支配から抜け出せる!!
そして、師匠もきっとーー
[15]バンダースナッチの日記
532.11.19
今日も気分がいい。
人工マナを使った若返り、長寿の術は順調だ。
術は完全なものになったと言える。
…惜しむらくは、師匠がいなくなる前に人工マナを完成させられなかった事だ。
だが、きっと師匠は別の形で術を昇華し、今もどこかで暮らしておられるだろう。
俺が目指し、決して超えられなかった存在。
あの人がこの世からいなくなるわけがないんだ。
だから、俺のこの偉業を、世界のどこかにいる師匠に届けるんだ…!
俺の作った、美しく完璧なアリス。
人類のために生き、マナを生み出すためだけの存在…。
そして、マザーツリーの支配からの脱却、唯一の手段なんだ。
ああ、完成が待ち遠しい。
今日も気分がいい。
人工マナを使った若返り、長寿の術は順調だ。
術は完全なものになったと言える。
…惜しむらくは、師匠がいなくなる前に人工マナを完成させられなかった事だ。
だが、きっと師匠は別の形で術を昇華し、今もどこかで暮らしておられるだろう。
俺が目指し、決して超えられなかった存在。
あの人がこの世からいなくなるわけがないんだ。
だから、俺のこの偉業を、世界のどこかにいる師匠に届けるんだ…!
俺の作った、美しく完璧なアリス。
人類のために生き、マナを生み出すためだけの存在…。
そして、マザーツリーの支配からの脱却、唯一の手段なんだ。
ああ、完成が待ち遠しい。
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