ガチャストーリー37「アリスが枯れた日」 - Alice Closet

アリクロ(アリスクローゼット)ミニストーリー

ガチャ: 「エタニティオーラ」

期間: 2022/6/1(水)14:30~7/1(金)14:29

アリスが枯れた日

[1]エドガーの日記

549.5.27
今日は大変なニュースが飛び込んできた。
ワンダーランドで初めて咲いたアリスが枯れたのだ。

ベルベット王国で450年にアリスシードが発見されてから、アリスは我々に数多くの喜びと幸せをもたらしてくれた。
そのアリスは、マザーツリーから放出されこの世を巡るマナの力で生きている。即ち、適正なお世話をすることで永遠に咲き誇ることが可能と考えられていた。

しかし、まさか自然に枯れてしまうことがあるとは…。
現在の仮説では、植物と同様、一定の期間を経たアリスは状況に関わらず宝石化するということらしい。つまりそのタイミングは誰にも分からないということだ。これがマザーツリーの意思だとしたら、あまりに残酷だ。

ここリンクライアで葬儀が行われるということもあり、寄宿舎はこの話題でもちきりだ。
来週予定されていたピアンテの見学は延期となり、我々も準備を行うらしい。世界中の花々と100着のコーデで美しく飾る計画だとか。
樹護官候補生として、アリスが心安らかに眠れるよう、全身全霊で取り組むつもりだ。

[2]グレンの日記

549.5.31
今日は、衣装職人を招き葬儀用の衣装を依頼した。王立ハートランド学園高等部代表として参加するからには、アリスを華々しく見送らねば!

史上初のアリスオーナーは、99歳にして現役の不動産王で、ベルベット王国の10%を所有する大地主とか。今までも衣装工房や、美術館を多く設立してきた。今回は宝石化したアリスのため、彼女をイメージした花々が咲く自然公園を作るそうだ。

いつか私のかわいい3人のアリスとも、世界中のアリスとも会えなくなる日がくるということか。それまでに私ができることは一体何だろうか。

私が今思いつくのは、一人でも多くのアリスに着せ替えの楽しさを味わってもらうということだ。ちょうど先週の授業で、生活苦によってオーナーと離れたアリスや、咲かせられないシードの存在を知ったばかりだ。

いずれは貴族として、大きな社会貢献を果たしたいが、まずは身の回りから着実に始めるのが良いだろう。
さっそく明日、我がアリスたちと孤児院を訪問しようと思う。

[3]セイランから姉へのメモ

姉さんへ

お疲れ様。夜食におにぎりを作っておいたから、良かったら食べて。

衣装製作の進みはどう?イーストエンド王国からリンクライアに送る衣装の一つを任されるなんて、光栄なことだけど相当プレッシャーだよね。
でも、姉さんなら、とびっきり素敵な衣装が作れるって信じてる。アリスの魂がまたこの世に生を受けた時に、素敵なコーデと巡り合えるよう、祈りを込めて作ってるんだもの。

あと、相談されてた帯の素材、見つけたよ。成人式用にアリスとお揃いの着物を作ってもらったじゃない。その時クスカ市場で最後に行った店、覚えてる?そこなら、姉さんのデザインをうまく再現した布地を作ってもらえそうなんだ。いくつかサンプルを取り寄せたから、明日には店に届くと思う。

リョウとリンは、三輪車に乗ったり、お絵描きしたり、今日はご機嫌だったから安心して。
他に手伝えることがあったら何でも言ってね。

セイラン

[4]シキからジャバウォックへの手紙

ジャバウォック卿 ブランへ

こんにちは、お元気ですか?僕は元気です。

突然のご報告になりますが、僕はマナ学園大学部を中退することにいたしました。研究室では、アリスの個性に関する研究、マナ循環の調査など、大変お世話になり、ありがとうございました。

今後は、世界中を旅して、マナと植物の関係を調べたいと考えています。最初は故郷のベルベット王国に、その後、海を渡ってイーストエンド王国も行ってみるつもりです。

先日、世界初のアリスが枯れたことはジャバウォック卿もご存知だと思います。そこで、アリスとの時間が無限ではないことに気がつきました。今、仮説を立てているマナとその土地の植物の相関、オーナーによるコーデの影響、花茶と蜜菓子、どの研究も実地で見て調べたら、もっと何か掴める気がして…。

もしよければ、今後もジャバウォック卿にアドバイスをいただけますと大変幸いです。

549.6.10 シキ

[5]ジャバウォックからシキへの手紙

シキへ

連絡ありがとう。我々も元気にしているよ。

君の決断、私は支持したい。アリスのマナを回復させる方法を見つけることは、長年の夢だったな。君の独自の視点やセンスは、既存の体系を深堀りするより、新たな発見に向けたほうが真価を発揮すると考えている。そのためには、研究室よりも実地調査を経てひらめきを得るのが合っているだろう。

あの報せを受けた時は耳を疑った。ブランもショックを受けたようで、翌日には熱が出たほどだ。だが、すぐに回復して、今は新たな衣装ラインのデザインに着手している。
君と同様、影響を受けた人は他にもいるだろう。アリスとの時間をより大切にしたいと考えた人がな。

私は今後もOBとして、研究室にちょくちょく顔を出すつもりだ。もし君が助けを必要とする時は、いつでも声をかけてくれたまえ。

549.6.15 ジャバウォック

[6]バンダースナッチのレポート

枯れたアリスに関するマナの動き
549.6.16

アリスのマナを増減させる要素には、着せ替え、花茶と蜜菓子、その土地の植物などが挙げられる。
この内最も影響が大きいのは着せ替えで、美しく着飾ることでマナが循環し、生命を維持している。また、直近の研究では、コーデを作る過程でオーナーのマナと共鳴を起こし、より補強されるという説もある。

年月を経たアリスは、姿形の変化こそないものの、核の活動に若干の衰退が見られ、マナの最大保持値の減少が見られる。今回枯れたアリスは、体内のマナが全て排出され宝石化に至ったと考えられる。
即ち、一般的な動植物と同様に、アリスにも寿命があるということだ。

また、具体的な数値や期間の検討には、ワンダーランド全体のマナが減少していることについても考慮したい。
マザーツリーがもたらすマナにただ依存している状況を今一度見返すことが必要だと言えるだろう。

[7]メルルの日記

549.6.19
明日は葬儀の日。
世界中から美しい花と、そして素晴らしい数々の衣装が集まった。
オーナーや交友があった方々が、届いた衣装からコーデを作り上げる様子は、アリスへの思いを感じて、思わず泣いちゃったわ。
新しい衣装に出会った時の驚き、パーツの組み合わせを思いついた時の思い出…みんなの気持ちはきっとあの子にも届くはず。

お店のオープンをきっかけにワンダーカラーの活動からは離れていたけど、今回、衣装整理のお手伝いって形で携われて良かった。

皆、アリスのことが大好きなんだもの。願わくはずっと一緒にいたいけど…。時間が有限なのはオーナーである私たちも一緒よね。
限られた時間の中で、精一杯できることをしてあげて、幸せを分かち合う…そのために私たちとアリスは出会うんじゃないかしら。

生まれたばかりのチェスターにも、いつか今回の出来事を話してあげたいわ。

[8]エドガーの日記

549.6.20
今日、アリスは多くの人に見守られて旅立った。

俺達寄宿舎生から送った青いドレスも、会場に飾られていた。彼女は小さな飾りを集めるのが好きだったと聞き細かい房飾りや石をたくさんつけ、レースや刺繍も繊細なもので、ボリュームたっぷりに仕上げた。

印象的だったのは、オーナーの穏やかな表情だ。かなり憔悴していると聞いていたが、アリスとの最後の時間を笑顔で過ごしたいとのこと…さすがベルベット王国屈指の貴族だけあって、品位ある立ち振る舞いだった。

それに、彼の「花は散るからこそ美しい」という言葉には驚かされた。終わりがくるからこそ共に過ごした時間がより一層輝くと。いつかまた、自分の魂とアリスの魂は巡り合うと。
イーストエンド王国の古い書物から取り入れた考え方のようだが、今までは聞いたことのない死生観だった。
その瞬間を大切にせよというのが、マザーツリーの真意なのかもしれない。

アリスとオーナーの貴重な時間…それを護るためにも、立派な樹護官にならねば。

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